金沢二水高校新聞部「先生の愛読書」の取材依頼を受けて
2013.12.10(火)
新聞部2年生のTさんに、「愛読書の定義は、『繰り返し読んできたし、今後も読み返すであろう本』
でいいかな?」と確認しつつ思い至ったのが、ロマン=ロランの『ジャン=クリストフ』。取材の日(12月
17日の放課後)に、「その本に出会った切っ掛け」と「その本が好きな訳」を質問されるので、考えたの
が以下の内容。
生徒に「先生なら絶対好きになる」と、強く勧められたことが切っ掛け。しかもその際に、「超」印象的
な巻頭言をその生徒が目の前で暗誦してくれた!
「いずれの国の人たるを問わず。
苦しみ、闘い、ついには克(か)つべき、
総ての自由なる魂に捧ぐ」
その生徒が今は千葉県で地歴公民科の先生をしていて、仕事はもちろん人生の上での「同志」になっ
ていることでも、「特別に」好きな本。
内容は、巻頭言からも想像できると思うけど、典型的な「教養小説」(辞書の定義=「伝記の形式をとり
ながら、主人公の人間形成の過程を描き、人間的価値を肯定する小説」。ドイツ語で Bildungs roman ビ
ルドゥングス ロマン。 Bildungs は「自己形成」の意味)で、主人公はドイツの音楽家(ベートーヴェンの一
面が反映)。フランス人で文筆家の親友オリヴィエの描き方も印象的。もちろん、クリストフが出会う様々な
女性達も魅力的…。